行政書士業務におけるグーグル検索広告の広告文について深く考える

ウェブ屋コラム

行政書士登録をしてからさまざまな業務においてグーグル広告(リスティング広告)を掲載してみました。広告文によって効果が大きく変化しますので、広告掲載において重要です。

私は、「全国版車庫証明一括見積もりサイト」を運営しています。「広告文(A)」から「広告文(B)」に変更したとき「広告のクリック率」「お問い合わせ回数」「成約率」に大きく変化がありました。

広告文によって効果が大きく変化した!

広告文(A)

車庫証明代行の一括見積もり|お近くの行政書士に車庫証明依頼
車庫証明の手続きを完了させるためには警察署へ2度出向く必要があります。警察署の受付時間が平日(午前9時から正午および午後13時から16時)

「サイト内に書いてあること」=「打ち出したいメッセージ」でしたので、サイト内に書いてあることの文字数を整えて、コピペして広告をしました。

広告費は1日300円でしたが、ほぼ毎日「お見積もり依頼」があり大反響でした。しかし、「お見積もり後の成約率」は高くはなかったようです。

広告文(B)

車庫証明代行の一括見積もり|収入印紙2600円+報酬5千~8千円
車庫証明の手続きを完了させるためには警察署へ2度出向く必要があります。警察署の受付時間が平日(午前9時から正午および午後13時から16時)

「広告文(A)」のお見積もり後の成約率を高めるために、ユーザーに対して費用の目安(「収入印紙2600円+報酬5千~8千円」の部分)を広告文に表示しました。

その結果、ほぼ毎日あった「お見積もり依頼」が1週間に1回に激減しました。クリックがされないので、広告費は安く抑えられました。「広告文(A)」のときと比べて「お見積もり後の成約率」は格段に上がりました。

どうしてこのような結果になったのか?

ユーザーにとって、申請にかかる費用は重要なものです。広告文にその目安を表示することで、広告をクリックする前に、表示されている費用負担をしてでも申請を依頼したいかどうか考えさせることができ、無駄なクリックがされなかったようです。

リスティング広告は、クリックされた場合に広告費が発生するので、無駄なクリックをさせないことが広告の費用対効果を上げることに繋がりました。対象ではないユーザーにクリックされないようなテクニックは重要です。

費用負担の目安だけ表示すれば良いだけではない!

ユーザーが負担する費用は、行政書士費用の他に収入印紙などの手数料や税も含まれます。

この部分をどう表示するかによって、クリック率と成約率だけではなくその他に競合による広告争いにも影響を与えます。

広告文(イ)

車庫証明申請代行 行政書士報酬5500円
車庫証明の手続きを完了させるためには警察署へ2度出向く必要があります。警察署の受付時間が平日(午前9時から正午および午後13時から16時)

ユーザーが実際に支払う費用は、表示されている5500円に加えて、表示されていない2600円が加算されて8100円になります。

「広告文(イ)」はユーザー目線ではない広告です。ユーザーは、5500円だと思ってクリックしたが、実際は8100円の負担をする。少し騙された気になるかもしれません。

「広告文(イ)」は、その少し騙された気持ちや予定していた費用の目安との差によって、ユーザーのお問い合わせの後に成約に結びつかないことが多いが、お問い合わせの回数は多くなります。(広告費も多い)

広告文(ロ)

車庫証明申請代行 総額8100円
車庫証明の手続きを完了させるためには警察署へ2度出向く必要があります。警察署の受付時間が平日(午前9時から正午および午後13時から16時)

ユーザーが実際に支払う費用は、表示通りの8100円になります。

「広告文(ロ)」はユーザー目線であり非常に分かりやすい広告です。ユーザーは、8100円に納得の上クリックし、実際は8100円の負担をする。

「広告文(ロ)」は、既に納得してクリックしていることから、ユーザーのお問い合わせの後に成約に結びつきやすいが、「広告文(イ)」と並んだ場合、割高感を与えお問い合わせの回数は少なくなります。(広告費も少ない)

広告文(ハ)

車庫証明申請代行 収入印紙2600円+報酬5500円
車庫証明の手続きを完了させるためには警察署へ2度出向く必要があります。警察署の受付時間が平日(午前9時から正午および午後13時から16時)

ユーザーが実際に支払う費用は、表示されている5500円と表示されている2600円が加算されて8100円になります。少し計算が必要ですが、表示通りの8100円になります。

「広告文(ハ)」はユーザー目線であり非常に分かりやすい広告です。ユーザーは、8100円に納得の上クリックし、実際は8100円の負担をする。

同時に「収入印紙」と記述することによって、本人が手続きしても負担する費用だということを伝えていますが、収入印紙や税などの法定手数料などを理解するユーザーが多いわけではなく、「広告文(イ)」より割高感を与えてしまいます。

結局、「広告文(ロ)」と結果は変わらず、「広告文(ハ)」は、既に納得してクリックしていることから、ユーザーのお問い合わせの後に成約に結びつきやすいが、「広告文(イ)」と並んだ場合、割高感を与えお問い合わせの回数は少なくなります。(広告費も少ない)

結局どの広告方法がよいか

取り扱う業務によって変わります。

「車庫証明の取得代行」のような行政書士との信頼関係が少しでもあれば良く、それを早く安く処理することが比較対象になる業務の場合は、「広告文(ハ)」で、ユーザーの納得してもらって広告クリックしてもらい、その結果クリック率が下がり広告費を抑えつつ、確実に業務を取得する必要があると考えます。

しかし、「遺言・相続」のような、信頼関係が大事で着手までに説明できるフェイズがある業務の場合は、「広告文(イ)」で、まずはユーザーにお問い合わせしてもらい、そこから信頼関係を結びつつ費用負担のことを伝え、受任に結び付くかどうかは、ユーザーと行政書士の相性や行政書士の営業力に委ねることが広告効果の最大化につながると考えます。

また、競合が多い業務に広告している行政書士は、「金額を表示しない」もしくは「広告文(イ)」で表示しているようです。競合が多い場合、クリックされなければ機会損失として考えますので、積極的な広告文で広告するべきです。お問い合わせをしてもらってその後営業する方法ももちろんあります。

広告の成約率を上げるために、広告文以外にもできることはいっぱいありますので、ご興味があったらお問い合わせください。

この記事のライター
行政書士 保田 多佳之

このサイトの管理者。2005年から現在までウェブの企画・制作・マーケティングまで幅広く経験しています。これからも仕事の中心はウェブの仕事です。2021年から行政書士専用のウェブ制作を行っています。

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