行政書士業務の中で、建設業許可は主要な仕事となります。行政書士として登録して、開業するのであれば、建設業許可の仕事は選択肢のひとつとなります。
1.建設業許可業務のメリット
許認可業務はたくさんありますが、風俗営業許可、古物商許可のように許可の有効期限がない許認可もありますが、建設業許可は許可の有効期間が5年間で、5年に1度、許可の更新申請をしなければなりません。5年に1度、仕事になります。
建設業許可業者は、毎年、決算の後、決算届である事業年度終了報告届を官公署に提出することが義務になっています(建設業法第11条第2項)。取締役や株主の変更、商号や所在地の変更などの届出類も発生します。
建設業許可業務は、市場の大きさもメリットです。古物商許可業者、理美容室店舗、産廃業許可業者、宅建業免許業者、貨物自動車運送事業者、医療法人、旅行業者と比較しても一番数が多い業種です。
建設業許可業務をしていると、関連する仕事もあるので、セットで依頼を受ける可能性があります。
たとえば、許認可系業務として、経営事項審査、入札参加資格申請、建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録、解体工事業登録、宅建業免許、産業廃棄物収集運搬業許可、産業廃棄物処理業許可、建築士事務所登録、測量業登録、マンション管理業登録などです。
2.建設業許可が必要な工事
専門工事の場合は、500万円以上、一式工事の場合は、1,500万円以上の建設工事を請負契約には、建設業許可証が必要になります。
建設業許可が必要な工事で、許可を受けずに請負契約すると、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処される場合もあります。
3.知事許可と大臣許可
1つの都道府県内だけに営業所がある場合は、都道府県知事の建設業許可が必要になります。2つ以上の都道府県に営業所がある場合は、国土交通大臣の建設業が必要となります。国土交通大臣の大臣許可が必要な場合は、2つ以上の都道府県に営業所が設置される場合で、1つの都道府県内に複数の営業所がある場合は、都道府県知事の許可で営業ができます。
工事金額や工事場所は知事の許可、大臣の許可は必要ありません。
4.特定建設業許可と一般建設業許可
請け負った工事を下請に出す場合、下請に出す工事金額の総額が、4,000万円以上(建築一式工事の場合は6,000万円以上)の場合は、特定建設業許可、その金額未満の場合は、一般建設業許可を取得します。
下請工事のみを実施する場合や元請するが下請には出さない場合は、一般建設業許可で工事可能です。
5.建設業許可申請の費用
個人で新規に知事の建設業許可を受ける場合は、19万円、法人で新規に大臣の建設業許可を受ける場合は30万円となり、それにプラス行政書士への報酬となります。
行政書士も試験の勉強時間をかなり使い、多くの科目もあって、講座などでお金も使って合格のために知識を修得しますが、それなりの難易度があるものの、行政書士のできる仕事の多さと広さは魅力になっています。