行政書士業務をグーグル広告を利用するときの広告費用を、キーワードプランナーで比較してみました。

ウェブ屋コラム

行政書士に対して、行政書士業務に必要な部分のみ説明するための記事です。ウェブ業界の方はニュアンスの違いなどがありますのでご注意ください。

「行政書士業務の中で広告しやすいのはどれか?」などの話題になることも多く、グーグル広告のキーワードプランナーにて、広告費用を比較してみました。

結果だけ知りたい方へまとめ
  • 「古物商」が広告と需要で有利。
  • 「宅建業免許」は茨の道。

グーグル広告のキーワードプランナーとは

キーワードプランナーとは、グーグルが「広告したい人」に向けて「検索されている回数」や「クリックされたときの広告費用」を取得できるサービスです。利用するには、グーグル広告のアカウントを取得する必要があります。

警告

グーグル広告のアカウント作成時点は、簡単に広告ができるスマートモードになっています。スマートモードを使用している場合は、キーワード プランナーにアクセスできません。ただし、スマートモードからエキスパートモードに変更した場合、スマートモードに二度と戻せなくなります。

行政書士業務キーワード比較

下記のボックス内のキーワード比較していきます。また、以前キーワードプランナーで比較した記事も参考になりますので、同時にチェックしてください。

行政書士業務一覧

許可申請系のワード(建設業許可、産業廃棄物許可、運送事業許可、宅建業免許、飲食店営業許可)入管系のワード(ビザ申請、在留資格、配偶者ビザ、就労ビザ)警察系の申請(古物商、風俗営業)遺言相続系(相続、遺言書、遺産分割)

キーワードプランナーでは、月間検索回数を表示しており、グーグルトレンドでは、人気を数値化しているので計算方法によっては結果にズレが生じることもあります。もし、グーグル広告をするのであれば、キーワードプランナーを参考にしましょう。

月間平均検索ボリュームと上位表示クリック費用を考察

「相続」という誰でも起こりうる事の検索ボリュームが多いです。しかし、以前調査したグーグルトレンドで行政書士業務を比較したときほど「建設業許可」との差はありませんでした。

上位表示クリック費用」とは

当サイトでは、公表されている「ページ上部に表示されたときの1クリックの最低費用」と「ページ上部に表示されたときの1クリックの最高費用」の平均値を、「上位表示クリック費用」として扱うことにしました。

「月間平均検索ボリューム」「上位表示クリック費用」を比較します。「月間平均検索ボリューム」が高いということは、「日本国民の人気」があるコンテンツです。「上位表示クリック費用」が高いということは、「営利目的の人気」があるコンテンツということになります。

「日本国民の人気」と「営利目的の人気」を比べて、広告効果の高い業務を見つけようという考え方です。

月間平均検索ボリューム

日本国民の人気 平均検索ボリューム
1.相続33,100
2.建設業許可27,100
3.古物商14,800
4.遺言書14,800
5.在留資格8,100
6.就労ビザ5,400
7.飲食店営業許可4,400
8.遺産分割4,400
9.配偶者ビザ2,400
10.ビザ申請1,600
11.宅建業免許720
12.産業廃棄物許可390
13.運送事業許可110
14.風俗営業

上位表示クリック費用

営利目的の人気 上位表示クリック費用
1.宅建業免許(10UP)603
2.建設業許可(→)330
3.配偶者ビザ(3UP)327
4.飲食店営業許可3UP264
5.産業廃棄物許可(7UP)217
6.運送事業許可7UP215
7.遺産分割(1UP)204
8.相続(7DOWN)169
9.就労ビザ(3DOWN)159
10.ビザ申請(→)136
11.在留資格(6DOWN)123
12.遺言書(8DOWN)117
13.古物商(10DOWN)89
14.風俗営業(→)

まず、この結果から得られるのは、「宅建業免許」は日本国民の人気が少なく営利目的の人気が高いです。検索数が少ないのにも関わらず、広告出稿の競争は激しく割高な広告になります。

逆に「古物商」は日本国民の人気が高く営利目的の人気が低いです。広告の競争は少なく割安な広告になります。他には、「入管系のワード」と「遺言書」「相続」が少し割安なキーワードです。

また、「風俗営業」はアダルトコンテンツとみなされた、もしくは、あまりにも人気がなかったため。カウントできなかったようです。

ページ上部に表示されたときの最低費用と最高費用を比較

広告のギャンブル性

当サイトでは「ページ上部に表示されたときの1クリックの最低費用」と「ページ上部に表示されたときの1クリックの最高費用」の差が大きいことをギャンブル性が高いとして考えました。

この下のグラフは私のいま広告しているグーグル広告の画面です。(上の画像)平均クリック単価が19円の日は26回の訪問があり、(下の画像)平均クリック単価が96円の日は5回の訪問に留まってしまったキャプチャです。

なぜ、高い単価を支払っているにもかかわらずクリックが減ってしまうのでしょうか。1クリックが高い広告がクリックされて、1日の広告費の上限に達してしまったため、広告がストップしクリック率が減ってしまったためです。

少ない費用で広告を行うには、ギャンブル性が少ないキーワードのほうが安定してアクセスが見積もることができます。

「宅建業免許」の「ページ上部の最低費用」は202円で「ページ上部の最低費用」は802円でした。1日の広告上限を1000円だとした場合、802円1度クリックされてしまった後は上位表示されないことになります。

「行政書士業務」で、ギャンブル性が大きいキーワードは「宅建業免許」で小さいキーワードは「古物商」でした。この比較方法は、「行政書士業務+地域」などの設定も考えなくてはいけません。

たとえば、「相続」は1クリック57円~301円なのに対して、「相続 横浜」は1クリック586円~3171円です。1クリック3171円は高いですよね。自分の中心となるキーワードが、広告予算に収まっているかを確認することは大事です。

(※1クリックの上限を決定することもできますが、選べるプランが制限されますし、グーグルは推奨していないようです。)

結果を報酬統計とも比較

もし、広告キーワードが不利であっても、報酬に差があるのであれば、取り扱いにくい業務ではないかもしれません。報酬を含めて比較します。

まず初めに、2つの比較方法の評価が最高だった「古物商」と評価が最低だった「宅建業免許」を比較します。報酬は、令和2年度報酬額統計調査の結果を参考にしました。

「古物商許可申請」の最頻値は5万円で「宅地建物取引業者免許申請(新規)知事」の最頻値は10万円です。報酬面では「宅建業免許」が「古物商」よりも2倍有利ですが、広告面では「古物商」が「宅建業免許」6倍有利です。

今回は報酬設定に最頻値を利用しましたが、ご自身の報酬設定を当てはめて考え、広告キーワードと比較して比較してみてください。

宅建業免許の「広告と需要」が不利な理由

「宅建業免許」の広告・需要ともに不利なのは、広告と需要に別の理由があります。

まず、広告面では、不動産業の豊富な広告予算によって競争が激化し、広告単価が高くなっていると考えられます。

また、需要面では、宅建業は宅建士の専任が必須であり、宅建士の試験範囲で宅建業登録について問われているので、免許取得が初見ではなく、代理取得の需要が少ないと考えられます。

私が行政書士になって初めて専門サイトを作ったのは、「なぜなび宅建業申請さん」です。広告費が高かったことを覚えています。この記事を書きながら、あのとき「なぜなび古物商申請さん」を作れなかったんだと反省し、今日も明日への成長を誓いました。

ただし、古物商なら簡単にウェブ集客できるという記事ではなく、需要と競合を考えてキーワードを選定することを目的とした記事です。

この記事のライター
行政書士 保田 多佳之

このサイトの管理者。2005年から現在までウェブの企画・制作・マーケティングまで幅広く経験しています。これからも仕事の中心はウェブの仕事です。2021年から行政書士専用のウェブ制作を行っています。

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