行政書士の法人関係の仕事紹介、法人設立、会社設立などについて

行政書士も法人設立、会社設立の仕事をすることができます。ただし、登記は、司法書士の独占業務なので、登記だけは、司法書士にやってもらうか、依頼主のご本人にしてもらう必要があります。

行政書士は許認可の仕事ができるので、建設業、運送業、飲食業の許認可が伴う場合は、特に行政書士に会社設立を頼むことがあります。その場合、登記だけは、司法書士にお願いしてすすめることが多くなります。

1. 会社設立

事業を始める時は、個人事業として開業するのか、会社を設立してから起業するのかを選択することになります。個人事業の場合であれば、開業届を納税地の税務署に提出するだけで開業することができます。

会社を設立する場合は、法律上で決められた手続きが必要になります。会社を設立して法人となれば、個人事業ではない利点があります。

建築、不動産業、小売、卸売業、飲食業、IT関連では、個人事業よりも法人の方が、メリットが多くなる場合があります。

2.会社設立のメリット

(1)社会的な信用

会社設立では、商号、住所、資本金などを法務局に登記します。登記した内容は、公開されるために、法人としての責任が社会的に認知されて、社会的な信用力が向上します。

取引先や仕入先では、契約を結ぶのは、法人のみとしている企業もあります。個人事業の場合では、金額などの大きな取引はできない企業もあります。

社会的な信用は、銀行などでの資金調達という点においても有利になります。個人事業の場合は、資金調達が、法人より一般的に資金調達がむずかしくなります。

将来的に、事業拡大を考えているのであれば、個人事業に比べて、融資が受けやすい法人の方が向いています。

(2)節税

個人事業と法人は、税金のシステムが違っています。個人事業は所得税で課税されて、法人は法人税で課税されます。個人事業の所得税は、基本的に累進課税となりますので、所得の増加分があれば、税率が段階的にあがって、最大では、税率は45%にもなります。

法人税は、資本金1億円以下の法人の場合であれば、所得が800万円以上の税率は23.20%、800万円以下なら税率は15%でとなります。このように、所得が増えるのであれば、法人の場合であれば、節税となります。

会社設立の場合、役員などの経営者の給料は、役員報酬となります。法人の場合であれば、役員報酬は経費とできるので、法人税の対象外となります。

(3)有限責任

個人事業であれば、事業上の責任は、すべて個人の事業主の責任となります。業績が悪くなった場合などでの仕入先への未払い金や、銀行からの借入金、滞納した税金なども、すべて個人の責任のままです。このことは、無限責任と呼ばれています。

法人にした場合では、限られた責任、有限責任となりますので、代表者などの個人が全部の責任を負うことはありません。責任は、出資金の範囲内ということになっています。出資額以上の個人などの義務はありません。

3.会社設立の手続き

(1) 会社の概要決定

・社名
社名、商号、屋号を決めます。個人事業から法人にする場合は、屋号を引き継ぐこともできます。

・所在地

会社の住所を決めます。法律上の住所なので、事業活動地と違っていても問題ありません。同一の住所に同一の商号がある場合には、登記ができません。

・資本金

資本金1円でも会社設立はできますが、銀行などの融資を受ける場合は、売上などと同じく資本金も審査されますので、社会的、金融的な信用にも関係しています。事業を始めるにあたっての固定費や運転資金などに相当する額にしておいたほうがよいでしょう。

・会計年度

法律によって、会社にした場合、一定期間の収支を決算書として作成することが義務となっています。会計年度、事業年度は、この決算書をつくるための区切る年度です。

・事業目的

会社の事業を明示するものになります。取引先や銀行が審査する項目になりますので、しっかりした内容にしておきます。

・株主構成

株式会社で、誰がどれだけの株式を持っているかということです。株主は、会社設立前では発起人と呼ばれます。発起人は、会社の設立時の取締役を選任します。

・役員構成

最低、取締役を1人決めれば会社の設立はできます。1人で起業する場合には自分を取締役にします。

(2)定款

定款は、会社運営の規則です。定款には、必ず記載すると法律で定めあれている絶対的記載事項があります。定款の絶対的記載事項は次のとおりとなります。

・商号
・事業目的
・本店所在地
・設立時の出資される財産の価額、またはその最低額
・発起人の氏名および住所

(3) 出資金、資本金を払い込む

定款が認証されたら資本金の払い込みをします。

(4)登記

登記申請書類を作成して、法務局に申請して、登記します。

登記については、司法書士の独占業務となっています。

行政書士は、会社設立にあたって、登記の手続きを代行することはできません。法人の登記手続きを代行できるのは、司法書士だけになります。登記の手続きは、司法書士に依頼するか、自分で手続きをする必要があります。

行政書士に依頼すれば、登記は、提携先の司法書士にお願いしてすすめるケースも多くあります。

(5)税金関係

登記が終わったら、法人設立届出書などの書類を会社の所在地にある税務署に提出します。税理士などにも相談できます。

(6)社会保険関係

健康保険や厚生年金保険などの社会保険の加入手続きを年金事務所に届出をします。当初は、社長1人だけの場合でも手続きは必要になります。社会保険労務士が詳しい分野になり、相談することができます。

(7)労働保険関係

従業員を雇用するのであれば、労災保険と雇用保険の加入の手続きが必要になります。労災保険は、労働基準監督署で手続きして、雇用保険はハローワークで手続きとなります。社会保険労務士が詳しい分野になり、相談することができます。

4.法人、会社設立と行政書士

行政書士に依頼すべき業務とはどのようなときかと言えば、会社設立において、建設業、運送業、飲食業などの場合です。このように許認可が必要な場合には、会社設立も一貫して行政書士に頼むと効率的なため、行政書士に頼むことが多くなります。

会社の設立や新規事業開始の時に、許認可手続きをいっしょにやってもらえるからです。

費用は、行政書士の場合、認可取得に必要な費用に加えての報酬となります。認可対象の業務にもよります。