しっかりした勤め先であれば、辞める・辞めた社員のための手続きを滞りなくしてもらえますが、そうでない場合は、手続きを行ってくれるかは定かではありません。
また、退職代行の業者に依頼する場合は、ご自身と勤め先との関係性が悪いことが考えられます。退職後の手続きを「勤め先」に任せきりにするのではなく、ご自身で把握し、退職代行の業者と共有する必要があります。
勤め先に返却するもの
「社員証」「社章」「タイムカード」「名刺」「通勤定期」「制服」「健康保険証」などの勤め先から支給物は返却する必要があります。退職申請時に、勤め先へ「返却する必要のある支給物の一覧」を請求しても良いでしょう。
勤め先から受け取るもの
年金手帳
「年金手帳」を勤め先に預けていた場合は、勤め先から受け取る必要があります。必ず預けているとは限らないので、勤め先に確認する必要があります。
雇用保険被保険者証
「雇用保険被保険者証」を勤め先に預けていた場合は、勤め先から受け取る必要があります。必ず預けているとは限らないので、勤め先に確認する必要があります。
離職票
「離職票」は、失業保険を受ける場合に必ず必要になります。離職票は法律では退職後10日以内に勤め先が渡す必要があります。受け取ったら、必ず離職年月日と離職理由を確認しましょう。
給与所得の源泉徴収票
「給与所得の源泉徴収票」は転職先に提出する必要があります。また、退職後、その年内に再就職しない場合は、確定申告で清算し還付を受けることができます。
残業代
「残業代」の支払いを確認しましょう。勤め先との関係性が悪く、「残業代」を強く請求しないと支払われない可能性がある場合は「団体交渉権を有する労働組合」や「弁護士」などの交渉ができる業者に委任する必要があります。
退職金
「退職金」は勤め先ごとに規定があります。「退職金」の規定に基づいて確認しましょう。「退職金」を強く請求しないと支払われない可能性がある場合は「団体交渉権を有する労働組合」や「弁護士」などの交渉ができる業者に委任する必要があります。
「退職金」は給与の後払いと考えられており、勤続年数に従い「退職所得控除」があります。この控除枠を利用するためには、「退職所得の受給に関する申告書」を勤め先に提出する必要があります。
ただし、勤め先との関係性が悪い場合は、いったん所得税を収め、後に確定申告で清算し還付を受ける方法があります。
期限内にするべき手続き
健康保険
退職後、14日以内に「国民健康保険」するか、20日以内に「健康保険任意継続」するか、「ご家族の健康保険(被扶養者)」への加入を決定する必要があります。詳しくは、「全国健康保険協会の退職後の健康保険制度ヘのご加入は、3つの選択肢があります。」を確認ください。「国民健康保険」に加入予定なのであれば、「離職票」があれば加入できます。
国民年金
退職後、14日以内に「国民年金」に加入する必要があります。お住まいの市区町村の保険年金課などにお問い合わせください。
社宅
退職後、社宅を無料で借りていたか、費用を支払い借りていたかにより適応する法律が変わります。心配があるのであれば、退職代行の業者に相談してください。
財形貯蓄・確定拠出年金
退職後、個人型の確定拠出年金に加入するか、転職先で確定拠出年金を引き継ぎすることができます。
個人型の確定拠出年金を選択する場合は、移換手続きの期限があるので注意が必要です(資格を喪失した月の翌月から起算して6ヶ月以内)。
また、退職したからといって引き出しできるわけではなく、60歳になるまで引き出しすることができません。
退職時の公的保障を活用するための情報
各手当金・各給付金をもらうための情報サイト。ご自身が受けることができる給付金を一覧でチェックできます。