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寄与分を主張している兄弟が相続争いを避けて財産を分割する方法

引用可能記事

親からの相続で、他の相続人と遺産分割することがあります。

なかには「何年も親の介護をしていた。」「親の会社の売り上げに大きく貢献した。」などと、寄与分を主張することがあります。いざ遺産を分割すると、兄弟間でトラブルに発展するケースもあります。

そこで今回は、寄与分の仕組みや寄与分が認められる5つの類型、認められない場合の対応などについて解説します。これから寄与分を主張したい方、寄与分を主張している相続人同士でなかなか話し合いがまとまらない方などは、ぜひ参考にしてみてください。

寄与分とは?

寄与分とは、被相続人(亡くなった方)の財産の維持や増加について、特別に貢献した場合に、寄与分として、相続財産から法定相続分に上乗せして受け取ることができる制度です。

寄与分は、民法904条の2に規定されています。(参考:e-gov「民法904条の2」

寄与分の成立要件

相続人であること
  • 寄与分が認められるのは「法定相続人」のみです。
  • ただし、民法改正で2019年7月1日から特別寄与料の請求として、療養看護その他の労務の提供をした相続人以外の被相続人の親族から請求が認められます。
寄与行為がある
  • 通常期待される程度を超える貢献で、特別なものでなければなりません。
被相続人の財産の維持又は増加があった
  • 相続人の貢献により、相続財産が維持・増加した場合に認められます。
「特別の寄与」と評価できる
  • 寄与行為は、​​​​無償かつ専従して行っていることが必要です。
寄与行為と被相続人の財産の維持又は増加との間に因果関係がある
  • 寄与行為と財産上の効果が結びつくことが必要です。

寄与分は、自分で主張しなければなりません。

例えば、父親が亡くなり、長男が母親の介護を長年行っていたところ、その母親が亡くなったケースです。

このときに法定相続人が長男と次男である場合、法定相続分の2分の1ずつ遺産分割することになれば、長男が介護を行っていたので、次男に対し不満が出るのは明らかです。

このようなケースで、母親の介護を行った長男が、財産を多く相続できることを主張する必要があります

しかし、具体的にどのような寄与分があったのかわからない場合もあり、他の相続人と主張が食い違うこともあります。

そのため、ただ単に自分には寄与分があることを主張しただけでは、他の相続人が納得せず、揉めることもあります。

相続人全員が納得するには、被相続人の財産の維持や増加に貢献したという事実を、証明しなければなりません。

寄与分が認められる5つの類型

寄与分が認められるのは、原則として共同相続人に該当する人に限られます。

共同相続人による​​特別の貢献として、5つの類型にわけることができます。

  • 家事従事型
  • 金銭出資型
  • 療養看護型
  • 扶養型
  • 財産管理型

それぞれ見ていきましょう。

家事従事型

ここでの「家事」とは、掃除や洗濯ではなく、被相続人の事業に関する労務を提供し、相続財産の維持や増加に貢献していたケースです。

具体例を挙げると以下の通りです
  • お店の経営を支え、売上増加に貢献した
  • 農業を営む親の手伝いを行い、作物の収穫を維持できるように努めた
  • 税理士である親の事務所で、ほぼ毎日税理士として働いていた

金銭出資型

被相続人の事業に関する財産上の給付をする場合や、財産上の利益を給付することで、認められるものです。金銭出資型は、寄与行為の事実を立証することが重要となります。

金銭出資型の計算式(不動産を贈与した例)

​​相続開始時の不動産価額 × 裁量的割合


給付した金銭の額がわずかである場合や、短期間の金銭貸付けなどは、認められにくい傾向があります。

具体例を挙げると以下の通りです
  • 被相続人に不動産を贈与
  • 開業資金を支援した
  • 無償で金銭を贈与

療養看護型

病気療養中の被相続人の療養看護に従事した場合です。

具体例を挙げると以下の通りです
  • 本来であれば、自らの費用で療養看護する人を雇う必要があったものの、看護人の費用を免れたケース
  • 寝たきりの被相続人が​​要介護などで、入浴や​​排泄介助など、同居する息子が介護として長年行っていたケース

療養看護は、​​期待される程度を超える貢献であることが必要です。つまり、入院している被相続人にお見舞いとして数回訪れるだけでは、療養看護とはいえません。

療養看護型の計算式(介護行っていた例)

寄与料 介護日数 × 介護報酬相当額 × 裁量割合

扶養型

相続人が被相続人を扶養して、継続的に生活費などをまかなっていた場合です。
扶養型も扶養義務の期待される程度を超える貢献であることが必要です。

具体例を挙げると以下の通りです
  • 相続人が被相続人に対して定期的に仕送りをしていた
  • 被相続人の衣食住の面倒をみていた
扶養型の計算式(生活費を負担していた例)

負担した扶養料×扶養期間×(1-寄与した相続人の法定相続分の割合)

財産管理型

被相続人が所有している不動産(マンション、アパート)などを相続人が維持・管理し、管理費用の支出を免れたケースなどが挙げられます。
財産管理型も期待される範囲を超える貢献であることが必要です。
したがって、賃貸管理の場合は、継続して維持・管理を行っていたことが重要です。

具体例を挙げると以下の通りです
  • 被相続人の土地売却で占有者の立退き交渉、売買契約締結
  • 不動産の公租公課の支払い

財産管理型の計算式(第三者に委任した場合の例)

第三者に委任した場合の報酬額 × 裁量的割合

寄与分の主張が認められない人

寄与分の主張が認められない人は以下の通りです。

  • ​​被相続人
  • 友人や知人
  • 内縁の妻
  • 包括受遺者
  • 相続放棄した人
  • 相続欠格・相続廃除に該当する人

包括受遺者とは、遺言による全部または割合的な一部の贈与を受けた者です。

遺産分割協議で寄与分が認められない場合の対応

寄与分については、遺産分割協議の中で兄弟間の話し合いになることが多いですが、なかなか話がまとまらない場合もあります。

話がまとまらない、遺産分割協議に参加しない相続人がいる場合には、家庭裁判所で遺産分割調停または審判の手続を行うことになります。

調停または審判では、寄与の時期、方法、程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して寄与分を決めると規定されています。

遺産分割調停とは?

  • 遺産分割調停は、家庭裁判所に申し立てを行わなければなりません。
  • 家事審判官と調停委員で組織される調停委員会、法定相続人の全員が参加します。
  • 申し立てる際に「調停申立書」を作成します。

調停委員は、40歳以上70歳未満の弁護士や、司法書士、民生委員、ほか各種の専門家が参加しています。

「調停」は、裁判官の判決によって決定するのではなく、​​中立・公平な立場である調停委員会が仲介し、話し合いを通じて円満に解決できるように協議を進める制度です。

裁判では、法廷で双方が主張する形ですが、調停室のテーブルを囲んで話し合いを行います。

遺産分割調停の管轄

  • 管轄は、 相手方のうち、一人の住所地の家庭裁判所です。
  • または、当事者が合意で定める家庭裁判所です。
  • 相手方が​​複数いる場合は、そのうち一人の管轄地であれば可能です。
  • 当事者が合意で定める場合は、管轄合意書を家庭裁判所に提出しなければなりません。

遺産分割調停の費用

家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる際は、収入印紙を申立書に貼り、手数料を納める必要があります。一般的には以下の費用がかかります。

収入印紙1,200円
連絡用の郵便切手裁判所によって異なります
戸籍謄本450円
住民票300円
登記事項証明書600円
固定資産税評価証明書300円

弁護士に依頼する際の費用

加えて、弁護士や司法書士といった専門家に依頼すると、相談料や着手金、報酬などが別途かかります。

弁護士に相談する場合は、30分ごとに5,000円から1万円の範囲内で相談料が決められていることが一般的です。着手金については、30~50万円程度かかる場合があります。

遺産分割審判について

話し合いがまとまらない場合は、調停から遺産分割審判に移行することになり、裁判官(家事審判官)が遺産分割方法を決めることになります。

これまで寄与分を認めた過去の判例があります。

農業の後継者として、農業に従事し労務を提供したケース
(千葉家裁一宮支部平成3年7月31日)

被相続人が認知症となり、常時の見守りが必要となった後の期間について、親族による介護であることを考慮し、寄与分を876万円と定めた事例
(大阪家裁平成19年2月8日)

しかし、遺産分割審判で必ずしも寄与分が認められないこともあり、具体的な証拠に基づいた主張が重要となります。

審判に納得できない場合は、即時抗告という申立てを行うことができます。​​ただし、​​審判に不服があるときは、2週間以内に申立てをすることが必要です。

まとめ

今回は、寄与分の仕組みや認められる5つの類型、寄与分が認められない場合の対応などについて解説しました。

寄与分が認められる類型として、家事従事型、金銭出資型、療養看護型、扶養型、財産管理型などがあります。

共同相続人同士で話し合いがまとまらない場合は、遺産分割調停や遺産分割審判で寄与分を含めて遺産分割を行うことができます。過去には、寄与分を認めた判例もあります。

しかし、必ずしも寄与分が認められるわけではありません。調停や審判にかかる費用を考えると、経済的ではないこともあります。

兄弟でなかなか解決しないという場合は、相続問題に強い弁護士に相談するのもひとつの方法です。寄与分を主張するための証拠を集めることも可能で、​​冷静な対応が期待できます。

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この記事のディレクター
行政書士 保田 多佳之

このサイトの管理者。2005年から現在までウェブの企画・制作・マーケティングまで幅広く経験しています。これからも仕事の中心はウェブの仕事です。2021年から行政書士専用のウェブ制作を行っています。

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