「行政書士業務の中で高い需要がある業務はどれか?」などの話題になることも多く、グーグルから見てどの業務がトレンドかどうか答えを出しておきます。
- 「建設業許可」「古物商」「IT導入補助金」「ものづくり補助金」の検索数が多い。
- 「ビザ申請」「在留資格」は検索数が少ない。「入管」系キーワードが「配偶者ビザ」など細分化されて検索されているので1つのキーワードでは評価しにくい。
- 「相続」の検索数は桁違いに多い。しかし「相続」はキーワードが大きすぎ目的が多岐に渡るので評価しにくい。
グーグルトレンドとは
グーグルトレンドとは、ある単語がGoogleでどれだけ検索されているかというトレンドをグラフで見ることができるツール。数値は、検索数を相対的に表したもので、100が人気が最も高く、0は十分なデータがなかったことを示します。
行政書士業務トレンド比較
許認可比較①「建設業許可」VS「産業廃棄物許可」VS「運送事業許可」VS「宅建業免許」VS「飲食店営業許可」

「建設業許可」がダントツトップです。なんとなく行政書士の花形といわれる「建設業許可」が多いんだろうなとは感じていましたが、ここまでの差があるとは思いませんでした。
「建設業許可」+アルファで業務を行っている先生が多いのは、この検索数の多さが影響しているのかもしれません。
「産業廃棄物許可」や「運送事業許可」のキーワードの揺らぎがあるのかと思い、「産業廃棄物許可」を「産廃許可」「廃棄物許可」「産廃許可申請」変更し、「運送事業許可」を「運送業許可」変更し、確認してみましたが順位を変更するような変化は現れませんでした。
グーグルトレンドは相対的に評価するものですので、ここからは「建設業許可」を基準値として比較検討していきます。
許認可比較②「建設業許可」VS「ビザ申請」VS「在留資格」VS「古物商」VS「風俗営業」

基準値とした「建設業許可」がトップですが、「古物商」で検索している人が多いのが印象的です。インターネットによって個人同士の売買が普及したからでしょうか。
「ビザ申請」「在留資格」が「古物商」よりも少なかったのは意外に感じる人も多いかと思います。「入管」系の検索ワードは、「配偶者ビザ」「就労ビザ」細分化されて検索されていたり、ビザを取得したい人の母国語で検索されているのかもしれないので、一概に検索数が少ないと評価できません。
「ビザ申請」「在留資格」のほかに、「入管」系の検索ワードも調べてみました。「入管」は、「ビザ申請」「在留資格」よりも少し検索数が多く、「配偶者ビザ」「就労ビザ」は、「ビザ申請」「在留資格」よりも検索数が少ないようでした。
市民法務比較①「建設業許可」VS「相続」VS「遺言書」VS「遺産分割」

基準値とした「建設業許可」が1桁になってしまうほど「相続」の人気が高いです。しかし、キーワードを比較する上で注意しなければならないのが、キーワードが大きすぎるの場合です。
「建設業許可」を検索する人は、許可申請を自分もしくは行政書士に委任したい人に限られるのに対して、「相続」を検索する人は、相続税や不動産など行政書士の専門業務以外の業務を検索している人を含み、目的が多岐に渡るため行政書士業務としては比較検討しにくいキーワードです。
このような理由から、行政書士が直接関わることのできるキーワード「遺言書」「遺産分割」などで比較検討するべきです。

基準値とした「建設業許可」と「遺言書」「遺産分割」とほぼ同数の検索数です。行政書士は「相続」というビッグキーワードを避け「遺言書」「遺産分割」を検索している人をターゲッティングするほうが良いと考えます。
市民法務比較②「建設業許可」VS「IT導入補助金」VS「ものづくり補助金」

基準値とした「建設業許可」と「IT導入補助金」「ものづくり補助金」もほぼ同数の検索数です。補助金・助成金はネット集客がしやすい業務と話も聞くので、検索数が多いこともうなずけます。
また、相続関連のキーワードと違い、「IT導入補助金」「ものづくり補助金」と検索する人は、この補助金名を知っていることから、ある程度本人の調査を進めようとしているもしくは進めている人であるので、広告の効果が出やすい相手と考えられます。(注意)
マーケティング用語でアイドマモデル(パーチェスファネル)と呼ばれるもので、人が購入に結びつくまでには「認知」→「興味」→「比較・検討」→「購入・申込」の段階を踏む考え方があります。「購入・申込」に近い「比較・検討」の段階にある人が検索しそうなキーワードをピックアップする必要があります。補助金名を知っている人は、「興味」もしくは「比較・検討」までステージを進めた人であるので、「購入・申込」に近いと考えました。